Synopsis

——楽器が弾けないと音楽はできない。 ——歌が上手くないと音楽はできない。 いつから人はそんな常識を持ち始めたのだろう。 そもそも楽器は何のためにあるのか? それは本当にないといけないものなのか? 歌が上手くないと、歌い手にはなれないのか? 皆が認める、技巧的で美しい声でないと素晴らしい音楽は誕生しないのか? 否。それは違う。 たとえ歌が下手でも、楽器が弾けなかったとしても音楽はできる。才能さへ持っていれば。 藪島ハクにはそれがあった。 頭の中で曲を創るという才能を。 厳密に言うと、それは創っていないのかもしれらない。 急にメロディが頭の中をかけ走って、気づいた頃には曲がある。 そんな才能を彼は持っているのだ。 だったら簡単ではないか。 その才能はいつしか誰かに発掘され、一瞬にしてスターへと駆け上がる。 才能とはそういうものではないのか。 否。それもまた違う。 この環境——少なくともこと『学校』おいてはそうはいかない。 才能を発掘されるどころか、むしろひどく嫌厭される。 そして自分に自信をなくし、はなから『自分に才能などない』と決めつけている。 彼は本当にスターになれるのか? いや、そもそも彼に音楽ができるというのか? 楽器も、そして歌もろくに上手でないというのに。

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Kakuyomu
Kakuyomu07/31/2024
  • Currentシング・ソング・ライト