Synopsis

地方都市の大型ショッピングセンター。 その三階奥、寂れたプラネタリウムで働く主人公は、七つの不思議な出来事に出会う。 【本作は横溝正史ミステリ&ホラー大賞応募作です。  応募要件を満たすため、以下に物語の結末までをまとめたあらすじを記載します。ネタバレにご注意ください。】  舞台は地方都市の大型ショッピングセンター。  その三階にあるプラネタリウムで受付として働く主人公は、日々の中で七つの不思議な出来事に遭遇する。 『どこにだって行けるよ』  同窓会の葉書を持った客が現れ、主人公に四階の場所を訊ねる。  ここには三階までしかないと案内した主人公だったが、のちに「これだけ広い建物なのだから、自分が知らないところがあってもおかしくない」と思い始める。そして乗り込んだエレベーターに、『4』の階数ボタンがあるのを見つけた。ボタンを押すだけ押すが、それには乗り込まなかった。  後に客と再会する。四階は見つかったかと訊ねると、彼女は肯定の答えを返した。 『猫になりたい』  建物の天井裏に動物が住み着いていると騒ぎになっていたころ、主人公は猫カフェに人面猫がいるという噂を聞く。また、猫の顔をした会社員をフードコートで目撃する。  猫カフェの店番を頼まれた主人公は、人面猫から話しかけられる。猫と会社員がお互いに入れ替わって日常を送っているのだそうだ。人間として生きることと動物として生きることについて人面猫は語り、もうすぐこの暮らしはやめて元に戻ると言った。  後日、天井裏に住み着いていたのは人間だったと発覚する。その不法侵入者を発見することで手柄を立てた猫と、その猫と仲良くする会社員を、猫カフェの外から主人公は眺める。 『観客』  広場の上の壊れていた天窓が勝手に開き、それをきっかけに古いマスコットが掘り出されてショーを行うことになった。  主人公はそのMCを務めることになり、その際「ショーの間は天窓を見上げてはいけない」という噂を聞く。また、マスコットを演じる旅芸人は、観客にも見上げさせないようにと主人公に強く協力を求めた。  ショーの間、しかし天窓に雨が降り出してしまう。人々が空を見上げる直前、主人公は打ち合わせ通りにマスコットに一発芸を求め、注目を集める。一笑いが起こった後、天窓はひとりでに閉じていた。 『ドーナツとアイスクリーム』  穴に指を入れると噛みつくお化けドーナツと、融けると消えてなくなるお化けアイスクリームの噂が流れていた。昔のよしみでドーナツ店を手伝っていた主人公は、この奇妙な新商品について売上を催促する『本社』の人間がドーナツ店とアイス店で共通していることに気付き、反撃する。  後日、お化けドーナツの穴にお化けアイスクリームを入れた瞬間、叫び声が響くという動画がインターネットに流れる。主人公が同じことをしたときには、もうその声は聞こえなくなっていた。 『ナイトゲーム』  おもちゃ屋から夜な夜な人形は盗み出され、ゲームセンターでは小学生たちが「攻略できないと死んでしまう」というゲームに勤しんでいる。  小学生たちが無事『何者かが残したハイスコア』を塗り替えた後、プラネタリウムの同僚は語った。あの盗み出された人形は、昔やっていたアニメに出てきていたゲーム好きのキャラクターなんです。もしかしたら、子どもたちと遊びたかったんじゃないかな。  しかし主人公は別の考えも浮かべる。人形は子どもたちを守ろうとしてゲームセンターを目指していただけなんじゃないだろうか。だとしたら、あのハイスコアを残したのは一体何者だったのか。 『占い手帳』  日付を書き込むとそのとおり予定が叶うという不思議な手帳が本屋に売っていた。主人公はそれを使ってお年玉くじは当てるわ芸能人からデートに誘われるわやりたい放題。  けれど、それを使って願いを叶えているのは自分だけではないのではと思い至る。主人公は手帳に書かれた予定の一つ一つに打消し線を引いていき、芸能人からデート取り消しの電話を受けるのだった。 『眠る星』  プラネタリウムで、星がないはずの場所が光り始める。そのことをオーナーに伝えると音信不通に。一時閉館することになってしまう。その頃ちょうど、空の同じ場所にも新しい星が現れた。  主人公は閉業中のプラネタリムで眠り、人のいなくなったショッピングセンターに迷い込む。そこで出会った常連の少年との会話、それからプラネタリウムの解説音声を通して、生まれ育った場所の衰退と宇宙の終わりを重ね合わせる。  目覚めると、オーナーが帰ってきた。機材の修理をして、今日もプラネタリウムは営業を始める。

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Kakuyomu
Kakuyomu09/22/2024
  • Current当ショッピングセンターは本日も営業しております。