Synopsis
数日間熱にうなされ目が覚めると、そこはまったく別の世界だった。単に推しが登場するという理由だけで、最後まで読み進めた本「深淵の果て」──タイトルからしていかにも鬱展開丸出しのその本の世界。
本の表紙に描かれた絵だけを見て選んだ推しは、殺伐と暴政を敷く過激な皇太子。しかし自身が憑依転生したのは魔物が絶え間なく出現する村に住むモブハンターの「エラ」であり、皇太子がいる首都に入ることすら許されない卑しい身分だった。
万が一出会うことがあっても、あの過激な皇太子だけは避けるべきなのだが…
「推しが!いなきゃ!この本は!最後まで!読めないんだってば!うわぁぁ!」
エラは推しに会いたいけど会ってはならないという正反対な感情を抱きながら苦しい三年を送った。
ところがある日、あの男に出会ったことで彼女は推しの顔などすっかり忘れてしまう…
「あの男……」
「あの男?あの貴族のことか?あの人がどうした?」
「とても…」
「とても…?」
イケメンだわ
最後の言葉を辛うじて飲み込んだエラは、思わず感嘆のため息をついたのだった。
この旅の終わりには何が待っているのだろうか。
冬の剣「ウィンターラー」はどんな秘密を持っているのだろうか。
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