Synopsis

「あのドレスは似合わない……いえ、ドレスそのものが似合わないのかしら」 彼女を目にした時、ミットー公爵令嬢ロメリアは、そんな感想を抱いた。 古くから優れた武官を輩出してきたミットー公爵家の屋敷の庭では、この日、お茶会が催されていた。 お節介焼きの祖母により、十歳になったばかりのロメリアは、半ば無理やりこのお茶会の主催に祭り上げられていた。 そんな中、彼女の取り巻きを気取る令嬢達が、会場の隅に置かれたテーブルで一人ポツンと所在なげにしている男爵令嬢メルを嘲笑う。 「ヒバート男爵といえば、昇級試験に四度も落ちて、今もまだ平民の文官の下で働いているそうですわ」 「そんな風だから、奥様にも逃げられてしまうんだわ。あのメルって子も、気の毒ですわねぇ」 自分を挟んでクスクスと笑い合う彼女達を、ロメリアは冷ややかに眺めていた。 そんな中、暴走した兄の馬が乱入し、お茶会は騒然となる。 その時、似合わないピンクのドレスを翻して馬の背に飛び乗り混乱を収めたのは、この場で最も格下として扱われていた、メルだった。 それを見たロメリアは、自分の心がかつてないほど浮き立つのを感じた。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou04/21/2024
  • Currentあなたにドレスは似合わない