Synopsis

「やあ、これはこれは、こんなところに来るなんて、酔狂な人間もいたものだ」 着崩した甚平にハットを被るという、なんともチグハグな格好。それを上回る異質さは、彼の足元にあった。 「……浮いてる」 「そりゃあ死んでいるからね。幽霊の特権というやつさ」 呆然とした心が口から漏れ出る。彼は、そんな私を見て、けらけらと笑った。 『彼には死んでも死に切れぬ熱情があるのだ。私には、我が友人が救われる日がくるよう、願うことしかできなんだ』 祖父が書いた、“物思いにふける”幽霊を心配する手紙を読み、親孝行、もとい爺孝行のために、私は彼を成仏させようと試みる。 しかし彼は、信頼の置けぬ人間には相談だってできぬと言う。そこで、私は彼の元を度々訪れることにしたのだが──。 ★「情緒をわかっていない」と言われる“私”と、一見飄々としている幽霊が、時間と会話を重ねるお話。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou10/31/2015
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