Synopsis
「イラルフ様、ミミ様を追放されるというのは本当でありますか!?」
臣下の一人であるアルデンヌが、私に甲高い口調でそう詰め寄った。
「それがどうした?あの女は私の命に逆らったのだ。逆らえば婚約を破棄の上で追放すると警告までしておいたのだがな」
それは事実だ。あの女の方が私の警告を無視して、命令違反を行ったのだ。
「そ、それは臣民の命を無視しろというご命令でしたよね…?心優しき彼女にそんなことができるはずがありません…いやそもそも、王子自らが利益のために臣民の命を見捨てることこそ問題なのでは…」
なにやら今日は食い下がってくるアルデンヌ。普段は私のイエスマンであるはずの男が、今日はやけに素直ではない。
「なんだアルデンヌ。普段は私の言う通りにするから目をかけてやっているのに、お前も私にか逆らうのか?それならおまえにもここから出て行ってもらうよう命令をしなければならなくなるぞ」
ここまで言えば、たいていの者たちは私の権力の前にひれ伏す。…しかしアルデンヌはまだ納得しなかった。
「…ご自分が何をしたのか…分かっておいでなのですか…イラルフ様…」
甲高い口調はどこへやら、今度はやけに低いトーンで言葉を発する。
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