Synopsis

この人生はあと20年、30年と続くだろう。 望まない残りの人生と引き換えに ライクロフトの家で、静謐で平穏な孤独に身を委ねた男の私記。 友未 哲俊様に頂いた書評を抜粋致します。 芸術性とエンターテインメント性の深く溶け合った、きれいごとでは済まない迫真の名作でした。 @Eternal-Heartさまの「ライクロフトの静謐(せいひつ)」は、荒涼とした静けさと孤独なモノローグに沈潜して行く最果て感に満ちた原風景です。 「生き辛さを抱え、人生より安心を望む少数派の存在が伝われば、という思いで執筆致しました」と述べられている通りの内容で、静寂を揺蕩い、孤独に沈む詩的な言葉が、張りつめた美しい風景を紡いで行きます (友未はシベリウスの「タピオラ」や「テンペスト」の世界を思い出しました)。 イギリスの作家、ジョージ・ギッシング(1857 ~1903)の「ヘンリー・ライクロフトの私記」に描かれた主人公ライクロフトの、辺境地の自然の中での世捨て人のような隠遁生活(ギッシングが自らの願望を託したエッセイ風フィクション)を追体験して行くような形で綴られた私記風の小説なのですが、 フィクションというより、ピュアな魂のエッセイと呼びたくなる言葉たちです。 ひたむきさと、暗く透き通った耽美性が深く心に遺りました。 ただ、この作品には、作品としてまだ未整理な何かが残されているような気がしてなりません。 巻末の「解説」に述べられている類のフィクション仕立ては、却って友未を混乱させました。架空の主人公の手記という体裁をらなくても、心象風景としてストレートに語れば十分に届くだけの真実味がここにはすでに備わっているはずだと思うのですが…

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Kakuyomu
Kakuyomu09/01/2021
  • Currentライクロフトの静謐(せいひつ)